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「基礎の割れ」を診断する際の8つの確認事項(まずはじめに)

2020年10月07日

「購入を検討中の家を見に行ったら、基礎に割れがありました。詳しく調べずにこのまま購入しても大丈夫でしょうか?」

「地震のあと、基礎の割れが増えた気がします。家が地震の影響を受けていないか心配です。」

「家を新築中ですが、現場で基礎に割れを見つけてしまいました。業者の方は“問題ない”と言いますが、このまま工事を進めてよいのでしょうか?」

このようなお悩みから、「基礎の割れ」に関する診断依頼をいただくケースが増えています。

一般的な基準はあるけれど…

基礎やコンクリートのひび割れについては、以下のような公的な基準が存在します。

 ●国土交通省「既存住宅インスペクション・ガイドライン」

   幅0.5mm以上のひび割れ、または20mm以上の欠損を指摘対象とする。

 ●住宅品質確保促進法(品確法)による基準

   幅0.5mm以上のひび割れは、構造耐力上主要な部分に瑕疵がある可能性が高いとされる。

 ●日本建築学会「許容ひび割れ幅」

   屋外で計画共用期間が長期・超長期の場合は、幅0.3mm以下が許容される。

でも、「割れの幅」だけで本当に判断できるのでしょうか?

私たちは、割れの幅だけでは判断できないと考えています。
割れが何に起因しているのか、再発リスクはあるのか、構造や地盤との関係は?――
こうした要素を総合的に確認しなければ、本当の意味での安心や正しい判断には至らないのです。

これから数回にわけて、「診断のポイント」をご紹介していきます

通常の住宅診断(インスペクション)や、基礎に関する調査において、
私たちがどのような視点・手順で「基礎の割れ」を診断しているのか、
8つの視点に分けて、順を追ってご紹介していきます。

◆今後の連載予定内容

その1 基礎仕上げの確認

その2 割れからの析出物の確認

その3 割れの方向(向き)の確認

その4 割れの発生位置の確認

その5 建物の傾斜確認

その6 基礎の配筋状況の確認

その7 床下での基礎の状態確認

その8 建物資料の確認

一つひとつの観点を丁寧に確認していくことで、割れの原因を明らかにし、必要な対策を講じることが可能になります。

次回からの内容が、皆様のご不安を解消する一助となれば幸いです。

つづく


この記事を書いた人

ナカムラミツヨシ


ナカムラミツヨシ A型

●趣味:木工と料理(自分でイメージしたものを具現化することが楽しみです)、車のメンテナンス(30年以上前の古い車に乗っているため、調子が悪くなったら原因を調べて直すことが半分趣味のようになってしまいました)

●好きなこと:新旧問わず建築物を見ること。デザイン、仕上げ、納まりなどを見て感じ考えることが好きです。

●保有資格:一級建築士他

●仕事への想い:建物にまつわる「困った」を、持てる知識と経験で解決のお手伝いをいたします。



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