「基礎の割れ」を幅だけで判断して、本当に大丈夫なのでしょうか?
基礎に関する診断依頼に限らず、通常の住宅診断(インスペクション)において基礎の割れをどのように診断しているか、診断する際のポイントなどを、数回に分けてご紹介します。
第1回は「基礎仕上げの確認」ついてです。
表面の仕上げ? それともコンクリート本体?
ひと口に「基礎の割れ」といっても、それがモルタル仕上げの表面の割れなのか、コンクリート自体の割れなのかによって、診断の意味合いが大きく異なります。
●モルタル仕上げの場合(厚みのある仕上げ)
表面の割れと、その下にあるコンクリートの割れでは、割れ幅が異なることがあります。場合によっては、コンクリートには割れが生じていないケースも。
そのため、
・割れの深さがモルタル仕上げの厚み以上かどうか
・割れが基礎の内側まで貫通していないかどうか
といった点を、深さ測定や床下からの確認によって診断します。

※なお、基礎断熱工法が採用されている場合、表面にモルタル仕上げの割れがあっても、その下のコンクリートに割れが生じているかどうかを外部から確認するのは困難です。
このため、床下に潜り、内側からの確認が必要となります。

●コンクリート打放し、または薄塗り仕上げの場合
このような仕上げでは、表面の割れがそのままコンクリートの割れとして現れるため、比較的判断しやすいです。
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<今回のまとめ>
基礎に割れが見られた場合は、まず基礎仕上げの種類を確認し、
・「このまま判断できる割れ」か
・「他の観点からも調査が必要な割れ」か
を見極めることが重要です。
とはいえ、実際には【写真1〜3】を見比べても「どこが違うのかよく分からない」「仕上げの種類なんて見ただけでは分からない」と思われるかもしれません。
たとえば、下の写真のようにモルタル仕上げが剥落してコンクリートが露出していれば、区別は一目瞭然なのですが。

特に、厚みのあるモルタル仕上げに割れが生じている場合は、外部からの観察だけでは判断できないため、床下から基礎内側の状態も確認することが望ましいです。
「これはモルタルの割れだから大丈夫」と軽視するのは、非常に危険です。
火のないところに煙は立たぬというように、小さな割れが基礎コンクリートの異常を示す重要なサインであることもあります。


つづく
ナカムラミツヨシ
ナカムラミツヨシ A型
●趣味
木工と料理です。頭の中でイメージしたものを形にしていく過程が好きで、試行錯誤しながら完成させることを楽しんでいます。
また、30年以上前の車に乗っているため、日頃から整備やメンテナンスもおこなっています。不具合があれば原因を調べ、一つずつ解決していくことが半ば趣味になっています。
●好きなこと
新旧を問わず建築物を見ることです。建物のデザインや仕上げ、細かな納まり(部材同士の取り合い)を見ると、設計者や施工者の工夫が感じられ、つい見入ってしまいます。
●保有資格
一級建築士 ほか
●仕事への想い
建物の不具合や不安は、目に見える症状と本当の原因が異なることも少なくありません。
私どもは、表面的な現象だけで判断せず、原因や背景をできる限り確認しながら、建物にまつわる「困った」の解決をお手伝いしたいと考えております。
住宅購入前の不安から漏水や劣化の調査まで、一級建築士としての知識と経験を活かし、分かりやすく丁寧なご説明を心掛けております。
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