基礎の割れを幅だけで判断して本当に大丈夫なのでしょうか?
基礎に関する診断依頼に限らず、通常の住宅診断(インスペクション)において基礎の割れをどのように診断しているか、診断する際のポイントなどを、数回に分けてご紹介してまいります。
その2は「割れからの析出物の確認」です
基礎の割れ部分に析出物や変色は見られませんか?

●白い析出物が見られる場合
水分が割れへ浸入したことにより、コンクリート等の可溶成分が表面に析出したと判断します。一般的に、エフロレッセンスや白華現象と呼ばれる事象です。
但し、エフロレッセンスはコンクリートから析出するものとは限らず、モルタル仕上げやタイル仕上げから出る場合も有るため注意が必要です。
そこで、本当にコンクリートから析出したものかをもう少し詳しく観察していきます。
◆割れの幅や深さの確認
→ 通水可能な幅か、コンクリートに達する深さか
◆仕上げが有る場合は浮きや剥離の確認
→ 仕上げ背面に通水や滞水は可能か
●錆色の変色が見られる場合
こちらは、水分が割れへ浸入したことによる鉄筋の発錆を疑います。
但し、基礎外部に錆が発生する原因は他にも考えられます。
◆鉄筋のかたより (かぶり厚不足)
◆型枠の金物 (セパレーターや番線等)
◆鉄筋の結束線 (鉄筋同士を結ぶ針金のようなもの)
◆鉄分を含むコンクリート骨材 (砂利や砂)
そこで、本当に鉄筋の錆なのかをもう少し詳しく観察していきます。
◆割れの幅や深さの確認
→ 通水可能な幅か、コンクリートに達する深さか
◆錆び発生形状の確認
→ 点状の錆か、線状の錆か
◆鉄筋探査機で鉄筋の位置や深さを確認
→ 鉄筋に沿った位置に発生か、かぶり厚は適切か
※鉄道周辺の建物では、割れに鉄粉が付着することによる錆汚れの場合も有ります。
<今回のまとめ>
基礎の割れから析出物が有る場合、「割れに水が入ったことを示すサイン」と判断する以外に、「コンクリートや鉄筋の劣化を示す析出物」なのか、「その他の金物等副資材や仕上げに起因する析出物」かを見極めることも重要です。
つづく
ナカムラミツヨシ
ナカムラミツヨシ A型
●趣味
木工と料理です。頭の中でイメージしたものを形にしていく過程が好きで、試行錯誤しながら完成させることを楽しんでいます。
また、30年以上前の車に乗っているため、日頃から整備やメンテナンスもおこなっています。不具合があれば原因を調べ、一つずつ解決していくことが半ば趣味になっています。
●好きなこと
新旧を問わず建築物を見ることです。建物のデザインや仕上げ、細かな納まり(部材同士の取り合い)を見ると、設計者や施工者の工夫が感じられ、つい見入ってしまいます。
●保有資格
一級建築士 ほか
●仕事への想い
建物の不具合や不安は、目に見える症状と本当の原因が異なることも少なくありません。
私どもは、表面的な現象だけで判断せず、原因や背景をできる限り確認しながら、建物にまつわる「困った」の解決をお手伝いしたいと考えております。
住宅購入前の不安から漏水や劣化の調査まで、一級建築士としての知識と経験を活かし、分かりやすく丁寧なご説明を心掛けております。
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